Japanische Klassiker mit Furigana
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かごつるべ
江戸情話集
岡本 綺堂
Lesen Sie 江戸情話集 (かごつるべ) von 岡本 綺堂 (おかもときどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 203.779 Zeichen · 407 Bildschirme
このあいだ来た時からきょう初めて外へ出たんだ。誰にきいても判る。そりゃ嘘じゃあねえ。なにしろいつまでも悪くっちゃ困ったものだ。精出して養生しねえよ」
「お前さん、たいへんやさしくなったね」と、お絹はまた笑った。「どうでもう長いことはないんだから、少しはいたわってくれるのもいいのさ」
「病いは気からというぜ。しっかりしてくれ」
林之助はお絹を抱き起すようにして薬を飲ませてやった。そうして、まだ若いからだだから、どんな病気でも養生次第で癒らないことはない。気を弱く持たないで、ゆっくりと療治をしてくれと、子供をすかすように言って聞かせると、お絹も素直に聞いていた。
しかし今度の病気ばかりは容易に癒りそうにも思われない。お前さんにほんとうの親切があるならば、屋敷から幾日かの暇を貰うか、それとも一生の暇を取るか、どっちにしても当分はからだをあけて、あたしの枕許へ来ていてくれ。その上でお前さんの看病がとどいて癒れば重畳、万一これぎりに死んでも思い残すことはない。あたしはどうかしてお前さんをもう一度自分の手許へ引き戻そうと念じているうちに、とうとうこんな病気になってしまった。