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Japanische Klassiker mit Furigana

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かごつるべ

江戸情話集

岡本 綺堂

Lesen Sie 江戸情話集 (かごつるべ) von 岡本 綺堂 (おかもときどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 203.779 Zeichen · 407 Bildschirme

Aozora Bunko

丸腰を見とがめられて赤面しているところへ、又もやこんな忌味を言われて、林之助はむっとした。

「お里のおふくろが死んだ時に顔を出したのがなんで悪い。顔を出そうと出すまいと俺の勝手だ。貴様たちにおれの料簡がわかるか」

豊吉も負けずに何か言おうとするのを小屋主がおさえた。ほかの者もなだめた。ともかくも武士の林之助を相手にして喧嘩をしては面倒だと思ったらしい。

それはそれで済んだが、四方八方から意地のわるい眼で睨まれているようで、林之助はなにぶんにも居ごこちが悪いので、ろくろく挨拶もせずにふいと表へ出てしまった。彼の腰のまわりは寂しかった。そのうしろ姿を見送って、内ではくすくす笑う声も洩れきこえた。

「けしからん奴らだ」

林之助は腹が立って堪まらなかった。彼はふところにまだ一両二歩の銀が残っているので、近所の軍鶏屋へ又はいった。悲しみと怒りとがもつれ合って、麻のように乱れている胸の苦しみを救うために、彼はたんとも飲めない酒を無暗に飲んだ。

「このあいだもここで飲んで、それからお里の家へ行ったのだ。今夜はどこへ行こう」

彼は丸腰で屋敷の門をくぐれないことを考えた。