Japanische Klassiker mit Furigana
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かごつるべ
江戸情話集
岡本 綺堂
Lesen Sie 江戸情話集 (かごつるべ) von 岡本 綺堂 (おかもときどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 203.779 Zeichen · 407 Bildschirme
と、親方は慰めるように言った。
この噂を聞いて、お園も定めて案じているだろうとは思ったが、この場合どうしても謹慎していなければならない六三郎は、親方の手前、世間の手前、迂闊に外出することもできないので、じっと堪えておとなしく日を送っていた。
九郎右衛門は胆の据わった男だけに、今更なんの未練もなしに自分の罪科をいさぎよく白状したので、吟味にちっとも手数が掛からなかった。彼は大坂じゅうを引廻しの上で、千日寺の前に首を梟された。
なまじいに親にめぐり合ったのが六三郎の不幸であった。大方はこうなることと覚悟はしていたものの、父の罪がいよいよ獄門と決まったのを知った時は、彼は怖ろしいのと悲しいのとで、実に生きている空はなかった。今日が死罪という日には、彼は飯もくわずに泣いていた。親方もただ「諦めろ、あきらめろ」というよりほかに慰めることばもなかった。
兄弟子たちも六三郎には同情していた。近所の人たちも彼を気の毒に思っていた。しかし世間はむごいもので、気の毒とか可哀そうとかいう口の下から、大工の六三郎は引廻しの子だとか、海賊の子だとかいって、暗に彼を卑しむような蔭口をきく者も多かった。