Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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きてき

汽笛

佐左木 俊郎

Lesen Sie 汽笛 (きてき) von 佐左木 俊郎 (ささきとしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 4.469 Zeichen · 10 Bildschirme

Aozora Bunko

そして、レギレーターを戻した。もし信号機に故障があれば、暗闇の信号所で青い提燈を振り回すはずだ。

列車は遠方信号に接近した。機関手はブレーキに手をかけた。そして汽笛の紐を引いた。野獣の吼えるように、唸るように、余韻を引いて汽笛は高らかに響き渡った。

信号が青に変わった。機関手は舌敲ちをしてレギレーターを入れた。列車は轟然と突き進んだ。と、また場内信号が赤かった。吉川機関手は周章てレギレーターを戻しブレーキを入れた。そしてもう一度汽笛の紐を引いた。機関車は高らかに吼えた。唸るような余韻を引いて。が、もうブレーキでは間に合わなかった。列車は官舎の横まで来ていた。場内信号はすでに眼の前だった。吉川機関手は腰を上げて、リバース・シングルバース・ハンドルを引き倒した。列車は逆戻りをする前にまず速度を失った。

場内信号が青に変わった。吉川機関手はもう一度汽笛を鳴らしてから、リバーース・シングルバース・ハンドルを戻してレギレーターを入れねばならなかった。

「おい! ねぼけていちゃ駄目だよ」

信号所の横を通りながら吉川機関手は叫んだ。錆のある優しい声で。そして彼は急速力で走り出した機関車の窓から顔を出して場内を見返った。