Japanische Klassiker mit Furigana
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わたしのこどもじぶん
沖縄女性史
伊波 普猷
Lesen Sie 沖縄女性史 (わたしのこどもじぶん) von 伊波 普猷 (いはふゆう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 29.877 Zeichen · 60 Bildschirme
彼は私の祖父さんのことは今に忘れられない、あんな慈悲の深い人はまたといないといって涙ぐんだ。
祖父さんは猫が大好きであった。その頃私の家には、十数匹の猫がいたが、いずれも肥え太った綺麗な猫であった。祖父さんは外から帰って来る時には、いつも咳払いするのであったが、十数匹の猫はこの声を聞くや否や、先を争って門の所まで行って、その老主人を迎えるのであった。そうすると、祖父さんは懐からカステラとかカマボコとかいうような御土産を出して、これを分配してやるようなこともしばしばあった。
明治十二年には私は四歳であった。この年はわれわれ沖縄人が記憶しなければならない廃藩置県のあった年であるが、私には当時の騒動のことなぞはわからない。出世して系図を飾るという考えを有っていた祖父さんはこの政治上の変動で全然前途の希望がなくなって、心身ともに俄かに弱ったとのことだ。おまけに大仮屋に出勤していた私の叔父で、当時十五になる利口の青年が、相談なしに東京に連れて行かれたので、祖父さんの落胆は一通りではなかったとのことだ、私は彼の盗まれた日、親戚の者が大勢本家に集まって、人が死んだ時のように、声を立てて泣いたのを覚えている。