Japanische Klassiker mit Furigana
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さばくのこと
沙漠の古都
国枝 史郎
Lesen Sie 沙漠の古都 (さばくのこと) von 国枝 史郎 (くにえだしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 110.076 Zeichen · 220 Bildschirme
焼き肉――競争――格闘――前進!
日光も透さぬ大森林を荷車はグングン進んで行った。そして朝が昼となりやがて夕暮れが近付く頃、大森林の涯まで来た。
この森林の果てへ来るのが私の唯一の目的であった。そして森林のこの果てはかつて前方ダンチョンと一緒に道に迷って来た事があった。そしてその時私は見た!
代赭色をした平原を! その代赭色の沙漠の中に一筋堤防のあったことを! そして堤防のその上に二頭の狛犬に守られて神の社があったのを!
四十三
そして私は再び同じ所に社んで沙漠を見ようとしているのだ。
しかし私が森林を出て眼を前方に走らせた時、沙漠も堤も狛犬も悉く水に埋ずもれてわずかに社の屋根ばかりが水を抜け出て輝いているのがハッキリ両眼に焼き付いた。まことにそこには沙漠の代りに湖水が漲っているのであった。
しかし私は驚かない、むしろ予期していたことである。
私は荷車へ飛び上がってあるだけの焼き肉をひっ掴み四方八方へ投げ散らした。そして人猿の叫び声や格闘の響きを後にして筏を湖水へ浮かべたが、二挺の櫂を手に持ってヒラリと筏へ躍り上がり櫂をあやつって辷り出た。