Japanische Klassiker mit Furigana
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かわはぜ
河沙魚
林 芙美子
Lesen Sie 河沙魚 (かわはぜ) von 林 芙美子 (はやしふみこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 11.653 Zeichen · 24 Bildschirme
背の高い、ひょろひょろしているところが、弱そうに見えたけれど、芯は丈夫で、歩兵にはもって来いだと云う人もあった。
千穂子は、その夜泊った。
翌る日、千穂子が眼をさますと、もう与平は起きていた。うらうらとした上天気で、棚引くような霞がかかり、堤の青草は昨夜の雨で眼に沁みるばかり鮮かであった。よしきりが鳴いていた。炉端の雨戸も開け放されて気持ちのいいそよ風が吹き流れていた。
与平は炉端に安坐を組んで銭勘定をしていた。いままで、かつて、そうしたところを見たこともなかっただけに、千穂子は吃驚して、黙って台所へ降りて行った。
「おい……」
与平が呼んだ。千穂子が振り返ると、与平はむっつりしたまま札を数えながら、
「今日、これだけ持って行って、よく、頼んでみな……」
藷を売ったり、玉子の仲買いをしたり、川魚を売ったりして、少しずつ新円を貯めていたのであろう、子供が幼稚園にさげてゆく弁当入れのバスケットに、まだ五六百円の新円がはいっていた。
「千円で何とかならねえか、産婆さんに聞いてみな……貧乏なンだから、これより出せねって云えば、どうにかしてくれねえものでもねえぞ……」