Japanische Klassiker mit Furigana
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ふぐくわぬひじょうしき
河豚食わぬ非常識
北大路 魯山人
Lesen Sie 河豚食わぬ非常識 (ふぐくわぬひじょうしき) von 北大路 魯山人 (きたおおじろさんじん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 2.310 Zeichen · 5 Bildschirme
しかも、このごろのように下関から飛行機そのほかで自由に取り寄せられ、あるいは下関そのままのふぐ料理屋が東京に少なからず散在する際だから、この美食恵沢に未だ出合わない薄幸者は一生の不覚を悔に残さぬよう、翻然なにをおいてもまずふぐ料理の美味を試むべきである。そして、その飽喫から得た自覚を振りかざして初めて美食美味を語るべきだ。
下関人の話によれば下関、馬関、広島、別府方面におけるふぐの商い高は年々六十万円を下らないと誇る。これを話半分にして三十万円のふぐが年々ひとの口に入るわけだ。
それが一人前最高の五円当たりにして六万人分であるから一人前一円くらいから商う料理店などを加えて口数を想像するとき、話半分の三十万円から概算しても、なおかつ、十万人分くらいにはなるはずである。これだけのものを商う料理屋、その他専門店等のふぐ料理からは一人の中毒者さえ出したことがないといってまた誇る。これはわたしは信じてやってよいとする者である。しかして、この危険なき実際状態を目撃し体験する者からは、もはや、常識上かりそめにもその不安に駆られてよい訳合いのものではないという結論が生まれるわけだ。