Japanische Klassiker mit Furigana
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あぶらじごく
油地獄
斎藤 緑雨
Lesen Sie 油地獄 (あぶらじごく) von 斎藤 緑雨 (さいとうりょくう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 34.624 Zeichen · 69 Bildschirme
のかと問懸けると、それはと女房は角火鉢の縁へ飛んだ唾を指の先で消し、土地々々で芸妓の風俗もちがえば、客の風俗もちがいますから、どういう人と限ることは出来ませんが、遊びと云えば元々奢りですから、金を吝むなら奢らぬがいゝのですが、とかくこのごろは安く遊ぶことばかりを心掛け、二階へあがればすぐにお神さんに御用のある客が多いのですもの、芸妓に意気地が無いと云ますがそれは客の罪で、よしんば意気地が出したくっても、その意気地を買ってくれる客がないのですから、出ないのは当り前ですと、それから順を逐て、揚代の事纒頭の事箱丁の事女中の事、料理屋の事待合の事船宿の事、ことごとく説明らめた揚句、遊ぶなら金を遣うこと、遣わぬなら遊ばぬこと、遊ばずに済めば遊ばぬがいゝのです、およしなさいよと云て、自分で酌いだ茶碗を取った。貞之進は計略図にあたって、おのずから答えを得たのですこぶる満足し、早くこうと心が附いたら、三世相解に辛苦することもなかったと、ようやく気が勇んで、おやすみなさいっと下て行く女房に、階下の衆へと云て最中の袋を、報酬でもあるまいがそのまゝ投げ与えた。