Japanische Klassiker mit Furigana
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あぶらじごく
油地獄
斎藤 緑雨
Lesen Sie 油地獄 (あぶらじごく) von 斎藤 緑雨 (さいとうりょくう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 34.624 Zeichen · 69 Bildschirme
のは払残の勘定の請求で、貞之進も初めて勃然としたが、気をかえてそれじゃアお払を仕ましょうと、立ったまゝでその少々を渡して居る時、がら/\と曳込んだ一輛の黒塗車、五十恰好の中肉のどこか威厳のある紳士が、鷹揚に上って行くを、入来ゃいましたと呼ぶより先に内儀が出迎え、貞之進には目もくれずに随いて這入ったが、丸髷を見てお遣り遊ばせ、よく似合いますという声が、その時二階の上り口あたりでするのが漏聞えた、只今お請取をと云うのを、いや入らない預けて置くと貞之進は立出たが、今のが浜田の御前ではあるまいか、羽織もずッしりとした黒であったがと思うと、丸髷がよく似合ったと云うは小歌が居たのではあるまいかとまで疑われて、春泉の門を睨み/\河岸へ出たが、そうなると小歌に逢うことがいよ/\急がれ、別に馴染の家もないので仕方なく淀文へ行くと、お珍しい、お久し振、お見限りと、変ったことのない待いに貞之進も少しく胸を撫で、膳より先に小歌をと云うと、はいと女は下りて行ったが、やがてお生憎さま春泉へ出て居るそうですと告られて、貞之進はたちまちカッと胸に火が燃え、酒一滴もまだ口へは入れぬに顔は熱り、そうとも知らぬ