Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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ほっけそうのかいい

法華僧の怪異

田中 貢太郎

Lesen Sie 法華僧の怪異 (ほっけそうのかいい) von 田中 貢太郎 (たなかこうたろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 3.323 Zeichen · 7 Bildschirme

Aozora Bunko

住持は名音を信用しているので、すぐ二人を客間へ通した。二人は兄弟で女は男の姉であったが、家庭の事情で尼になりたいと云うのであった。

「一口に尼になりたいとおっしゃっても、それは容易なことではありませんからな」

住持は痛ましそうに女の方を見た。其の時まで何も云わずに俯向いていた女が、初めて顔をあげて住持を見た。

「それはよく存じておりますが、私は尼になるよりほかに、救われる道がございません。どんな苦行でも難行でもいたします、どうかお弟子にしてくださいませ」

女の弟はそれに続けて云った。

「私も幾度も思いとまらせようといたしましたが、よほど思いつめておりますから、どうか人間一人を助けると思って、曲げてお許しを願いたいと思います」

住持はどうしたものだろうかと云うような表情をして名音を見た。名音はそれほど思いつめるには、よほど苦しい過去を持っているに違いないと思って、すっかり女に同情してしまった。

「住持様、あんなにおっしゃいますから、肯いておあげになっては如何でございます」

「そうじゃな、それでは、こうして頂きましょう。今夜もう一度お考えなすって、それでも決心が変らなかったら、明日改めてお出でを願いましょう」