Japanische Klassiker mit Furigana
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なきむしこぞう
泣虫小僧
林 芙美子
Lesen Sie 泣虫小僧 (なきむしこぞう) von 林 芙美子 (はやしふみこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 34.906 Zeichen · 70 Bildschirme
何しろ文士志望が五万人ってンだから、骨も折れるさ……」
「そんな呑気な事いってられないわよ。伸ちゃんだって来年から学校だし、土方でも何でもして働いてくれた方がよっぽどうれしいわ。本当に!」
勘三は大の字になった。啓吉は益々固くなって、散らかっている煙草の銀紙をひろった。
「伸ちゃん! 御飯よウ、伸公ッ」
台所の硝子戸が開いて、癇高い声で、寛子が子供を呼んでいる。
六
雨がしょぼしょぼ降って薄暗い。一足飛びに冬が来たような陽気だ。
「貴方あずかるといったのだから、貴方がこの子を始末して下さい」
それが喧嘩の原因で、勘三はまた原稿を懐にして、
「じゃア、お前の気に入るように、啓坊をお菅君の所へでも置いて来るよ」
と勘三は啓吉を連れて渋谷駅から省線に乗ったのであった。坊主憎けりゃ袈裟までという言葉にうなずきながら、電車に揺られていても、勘三は何も彼も面白くなかった。
「おい啓坊! 中の叔母さんのとこへ行ってもおとなしくしてるンだぞ、ええ?」
「うん」
「啓坊の母さんがなってないから、まるで啓ちゃんが宿無し猫みたいじゃないか、ううん?」
「…………」
「さて、叔父さんは雑誌社へ寄って、叔母さんの務め先に電話を掛けてやるから、叔父さんが出て来るまで、外で待ってるンだよ」