Japanische Klassiker mit Furigana
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あらいづくりのせかい
洗いづくりの世界
北大路 魯山人
Lesen Sie 洗いづくりの世界 (あらいづくりのせかい) von 北大路 魯山人 (きたおおじろさんじん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 2.135 Zeichen · 5 Bildschirme
すずきの洗いづくりは、一般に三百匁ぐらいのものが一番美味いようである。痩せたのと丸々太ったのとあるが、必ず後者を選ぶべきだ。東京の魚河岸には毎朝まだいを塩水に泳がせて、大いにその溌剌たる姿を見せている。百匁以上一貫五百匁ぐらいまでのものだ。従ってたいの洗いづくりは、もっとも自由にできる。だがこれは素敵だ――と叫ぶまでに美味しくはない。いかにたいだとて、東京では洗いづくりにしては、すずきにちょっと頭が上がらない。しかし、たいの洗いづくりは見た眼の態が至極よい。そのしっかりした格調のよさが、黒だいとなると、さらに味調を落とすことは、もちろんない。
こちの洗いも二、三百匁のものは至極結構。
洗いづくりの変り種としては、海にあかえい、川になまずを挙げることができる。海と川との差こそあれ、似通った性質だと見えて、その肉付き、味わい、共に同じようなところがある。強いて美味しいものとは言えないが、辛子味噌として盛夏三伏の節、たまに食べるのもわるくない。また、たこの洗いづくりも似て非なるものである。
東京では、ふなやこいの良品が乏しくて、充分には手に入りかねるが、関西へ行くと、さすがご自慢だけのものがあるようである。