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Japanische Klassiker mit Furigana

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あらいづくりのせかい

洗いづくりの世界

北大路 魯山人

Lesen Sie 洗いづくりの世界 (あらいづくりのせかい) von 北大路 魯山人 (きたおおじろさんじん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 2.135 Zeichen · 5 Bildschirme

Aozora Bunko

が、そのかわり、手長えびの上質なものなぞとなると、これは東京だ。手長えびの洗いのつくりは上品なものである。肉に充分のしまりがあって、他に悪いくせもなく、また妙に甘すぎもしないという点で、食通をよろこばすに足る。

車えび、伊勢えびも、そのくせを嫌わない者には結構であろう。この二者のうち、いずれかと言えば、車えびの方が無論上等である。

近ごろでは洗いづくりをするのに、氷水を使うのが当り前となっているようだが、これはなるべく避けたいものと思う。わずかの氷水でやられるために、同じ洗うにもせせこましくて、且つ出来上がりも清麗でない。この洗いづくりは、なんと言っても井戸の水が一等である。井戸の水さえ良質であれば、まず井戸水にかぎる――と言っても過言ではない。次から次へ、だあだあと出る水をもって、大調子な構えでもって拵える。

刺身のつくり方は、厚くても薄くてもよくない。その魚の性質に応じて一々工夫すべきであると思う。その加減、実にむずかしい。しかし、薄すぎるよりはまだ厚すぎるほうが、水っぽくないだけ取柄である。ただ、堅くて食いづらいという嫌いはある。

日中の暑い日ざしが、いつの間にか弱い風をはらんだ夕闇と交替する。