Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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いきにんぎょう

活人形

泉 鏡花

Lesen Sie 活人形 (いきにんぎょう) von 泉 鏡花 (いずみきょうか) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 41.111 Zeichen · 82 Bildschirme

Aozora Bunko

八 幻影

いかさまな、五十の坂へ踏懸けちゃあ、ちと縒が戻ろうかい。だが油断はならない、早く行って見て安心しよう。何、居るに違いないが……ままよ念のためだと、急がわしく、馳せ行きて北の台と名づけたる高楼の、怪しげなる戸口に到り、合鍵にて戸を開けば、雷のごとき音ありて、鉄張の戸は左右に開きぬ。室内に籠りたる生暖き風むんむと面を撲ちて不快きこといわん方無し。

手燭に照して見廻わせば、地に帰しけん天に朝しけん、よもやよもやと思いたる下枝は消えてあらざりけり。得三は顛倒して血眼になりぬ。

八 幻影

先刻に赤城得三が、人形室を出行きたる少時後に、不思議なることこそ起りたれ。風も無きに人形の被揺めき落ちて、妖麗なる顔の洩れ出でぬ。瑠璃のごとき眼も動くようなりしが、怪しいかな影法師のごとき美人静々と室の中に歩み出でたり。この幻影譬えば月夜に水を這う煙に似て、手にも取られぬ風情なりき。

折から畳障りの荒らかなる、跫音彼方に起りぬれば、黒き髪と白き顔はふっと消え失せ、人形はまた旧の通り被を被りぬ。

途端にがたひしと戸を開けて、得三は血眼に、この室に駈け込み、「この方はどうだろう。