Japanische Klassiker mit Furigana
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いきにんぎょう
活人形
泉 鏡花
Lesen Sie 活人形 (いきにんぎょう) von 泉 鏡花 (いずみきょうか) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 41.111 Zeichen · 82 Bildschirme
二十 赤城様――得三様
理外の理さえありと聞くこは家の外の家ならんか。十数年来住める身の、得三もこは知らざるなり。廊下の終る処に開戸あり、開けて入れば自から音なく閉じて彼方より顧みれば壁と見紛うばかりなり。ここぞかの人形の室の裏なる密室になんありける。
この時しも得三等が、お藤を責めて婚姻を迫る折なりしかば、いかにせば救い得られんかと、思い悩みいたるうち、火取虫に洋燈消えて、こよなき機会を得たるにぞ、怪しき声音に驚かせしに、折よく外にも人ありて妹を抱きて遁出でたれば、嬉しやお藤は助かりぬ。我も早く出去らんとまたもや廊下を伝わりて穴に下りんと蹈迷い、運拙うしてまた旧の座敷牢に入り終んぬ。かかりしほどに身は疲れ、小指の疵の痛苦劇しく、心ばかりは急れども、足蹌踉いて腰起たず、気さえ漸次に遠くなりつ、前後も知らでいたりけるを、得三に見出されて、さてこそかくは悪魔の手に斬殺されんとするものなれ。
二十 赤城様――得三様
普門品、大悲の誓願を祈念して、下枝は気息奄々と、無何有の里に入りつつも、刀尋段々壊と唱うる時、得三は白刃を取直し、電光胸前に閃き来りぬ。この景この時、室外に声あり。