Japanische Klassiker mit Furigana
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りゅうせんスパイ
流線間諜
海野 十三
Lesen Sie 流線間諜 (りゅうせんスパイ) von 海野 十三 (うんのじゅうざ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 34.982 Zeichen · 70 Bildschirme
ガラガラガラ!
続いて、何か板のようなものが、床の上に落ちるような音がしたので、ハッとして飛びのこうと身を引く拍子に、
「呀ッ!」
と声をたてる遑もなく、
ガラガラガラ!
と、足が引懸ったまま、その場に身体は横倒しになってしまった。そして顔の真正面から、なにか土か灰かのようなものをパーッと浴びてしまった。
プップッと、唾を吐きつつ彼は漸く立ち上った。そして薄暗がりの中ながら、彼は大きなセメント樽のようなものの中に入っていたことが分ってきたのである。
よく目を見定めると、そのセメント樽のようなものが、その外いくつも並んでいた。まるで工場の倉庫みたいな感じである。倉庫ではないが、而も異様の臭気が室内に充満していて、それがプーンと鼻をついたが、丁度塩鮭の俵が腐敗を始めているような臭いだった。ここは倉庫かなとは、そのとき既に思ったことだったが確かに先刻までいたあの大広間ではない。誰がこんなところへ連れてきたのか。
「うん、そうだ。こいつは『右足のない梟』の仕業に違いない。ここは地下室の底だな。それにしても……」
と、帆村は手近の一つの樽の方へ近づいて、彼が、さっき落したと同じ蓋を手で取払って内部を覗きこんだ。