Japanische Klassiker mit Furigana
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りゅうこうさっかのし
流行作家の死
野村 胡堂
Lesen Sie 流行作家の死 (りゅうこうさっかのし) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 13.876 Zeichen · 28 Bildschirme
実際そう考えるより外に、解釈の下しようが無かったのです。小栗桂三郎の死んだ推定時間は十時から十時三十分迄の間で、関東新報へ電話の掛ったのは十一時半、早坂勇が小栗邸へ駆け付けたのは十二時――この時間は、五分とも間違いありません。
それに、青酸のような匂いの強い猛毒を、黙って呑まされる筈もなく、若し又ウイスキーや水の中へ入れて飲まされたとしたら、其処に青酸臭いコップとか、何んとかが残って居なければなりません。部屋は文字通り内から密閉されて居たのですから、毒を飲んだ後で、コップを持ち去ることなどは到底考えられなかったのです。
尤も、自殺にしても、青酸を入れたコップとかビンとかが無いのは可怪いとも言うことが出来ます。この問題はかなり係官を悩ませましたが、結局、切手の裏へ塗った青酸を嘗めてさえ死んだ例がある位だから、多分、何んか、気の付かない物に塗るかどうかして、持って居たのだろう――と言った、アヤフヤなことで片付けられて了いました。
解剖の結果かなり、多量の青酸が、死体の口中と胃の中から検出されましたが、それにしたところで、自殺説を引繰り返すほどの結果にはなりません。