Japanische Klassiker mit Furigana
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りゅうこうさっかのし
流行作家の死
野村 胡堂
Lesen Sie 流行作家の死 (りゅうこうさっかのし) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 13.876 Zeichen · 28 Bildschirme
薄い白粉、濃い口紅、公卿様のような、濃い太い眉の下に、深い瞳が媚を含んで、頬から頸へかけての曲線などは、何んとも言えない魅惑です。
黒以外の色を忘れて了ったと言ったような洋服、華奢な脚を重ねると、身体が不安定になって、柔かい肱がゆらりゆらりと、足の勇に触れます。
「立花さん、勇の野郎が、近頃恋患いをして居るんです」
「あら古風ねえ、相手は?」
「言おうか勇」
「止せやい兄貴」
足の勇はすっかり赤くなって了いました。
「極り悪がる柄かよ、勇」と千種。
「可哀そうにすっかり憂鬱になって居らっしゃるじゃありませんか」
「勇が恋患いをしたんだから、年代記ものですよ。此間っからすっかり音痴メンタルになって居るから、何うしたのかって訊くと――」
「何んです、その音痴メンタルと言うのは?」
「センチメンタル見たいなものですが、勇のは少し馬鹿気て居るから音痴メンタルで――」
「まア」
「訊問に及ぶと、白状しましたよ」
「何んて――」
「貴方に逢い度いって」
「あら」
「立花秀子さんに逢いたいなんて、身の程を知らない野郎でしょう、駆け出しの新聞記者のくせに」
「そんな事無いワ、ねえ早坂さん」
「尤、これでも文学士なんで、学問よりはラグビーの方が出来がよかったが、そんなに三下でもありません。