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Japanische Klassiker mit Furigana

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うみにいくるひとびと

海に生くる人々

葉山 嘉樹

Lesen Sie 海に生くる人々 (うみにいくるひとびと) von 葉山 嘉樹 (はやまよしき) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 161.305 Zeichen · 321 Bildschirme

Aozora Bunko

そして、それは船長が自分の船のボーイ長がけがをしたことなどは、チーフメートから聞いたまま「忘れてしまった」ことが原因かもしれないのだ。またそんなものを病院なんぞに入れることはもちろん、そのけがが「なおらねばならない」必要を認めない、ことに起因するかもしれないのだ。そして、きっとそうなのだ。

それは確かにそうあるべきだ。なぜかならばそれは「階級」と「身分」とが違うからであった。それはまたなぜかならば「階級」と「身分」とは人間と猿とをへだてるよりも、もっとひどく人間と人間をへだて、離したからだ。

かくて、ボーイ長の負傷は、水夫らに何とはなしに、陰惨な印象を与え、白内障の目における障害のように、いくらふいてもふいてもとれなかった。そして、それはこのゴロツキどもを、布団に紛れ込んだ針のように、時々チクチクとつっ突いた。かつ針は、いつかはあまりの痛さに「ゴロツキ」どもを飛び上がらせずには置かないのであった。

ボーイ長は、自分にとっては何よりも尊い自分の生命のために、相手は船長であれ何であれ、「今日という今日は交渉しよう」と決心した。そしてそれは藤原に相談すべきであると思い決めた。