Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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うみにいくるひとびと

海に生くる人々

葉山 嘉樹

Lesen Sie 海に生くる人々 (うみにいくるひとびと) von 葉山 嘉樹 (はやまよしき) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 161.305 Zeichen · 321 Bildschirme

Aozora Bunko

ボースンが、上から見るとただ、ボイラーのまわりをグルグル回るだけのように見えると同様に、チーフメーツはボースンの周囲をグルグル回りながら、ボースンがばかであることを、ハッキリ飲み込ませてしまったよりほかには、何もしなかった。

ボースンはあわててしまった。どこから手を出していいか、わからなくなってしまったのだ。

藤原はボイラーの上に上がって、鉤が当然引っかかるような状態になって来るのを待っていた。そして彼は、普段から、あまりに意気地のない、ボースンや大工が、チーフメーツに「くそみそ」にののしられているのに対して、なおさら腹を立てた。

「ほんとに貴様らはばかだ! 奴隷でもそれほど卑屈じゃないぞ! 水夫らからは月二割も搾りやがって、豚め! チーフメーツの野郎、なにかおれにいって見ろ! 思い知らしてやるから、高利貸の丁稚め!」

彼は、それこそ、抜けかけたボールトのように、ボイラーの上へ突っ立っていた。

ホックはうまく彼と、向かい合って立ってる波田との間へおりた。波田は腕ほどの太さの、ワイアの鉤穴を持ち上げた。それは一秒間とは持ち続けることのできない重さであった。