Japanische Klassiker mit Furigana
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うみにいくるひとびと
海に生くる人々
葉山 嘉樹
Lesen Sie 海に生くる人々 (うみにいくるひとびと) von 葉山 嘉樹 (はやまよしき) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 161.305 Zeichen · 321 Bildschirme
藤原は、ホックを、彼のからだの重みをもたせて、波田の持っている鉤穴の方へ揺るがした。それはちょうどそこへ行ったが、少しおり足らなかった。
だめだった! はまらなかった。
「何だ、ボケナス、どうしてはめないんだ! ばか! よせッ!」チーフメーツは頭から、ストキへ罵声を吐きかけた。
「波田君、降りたまえ! チーフメーツがよせという命令だ」そのまま藤原は、ボイラーからワイアを伝って飛びおりた。波田も続いた。
「どうした、ストキ、どこへ行くんだ! 畜生!」チーフメーツはまるで狂っていた。
藤原は下へ降りて、西沢をデッキから見えないところへ呼んだ。
「君、仕事があれでやれるかい、ばかとか、よせとか、怒鳴り散らされて? え? よそうじゃないか、おれたちあ、船を桟橋まで着けないで下船しちゃおう、ばかばかしいや! 奴隷じゃねえや」藤原はジロリとボースンをにらんだ。
「よせ! よせ! 全く、こんなボロ船いつだっておりるぜ」西沢も賛成した。
「ストライクか、それや、ぜひやらにゃならないこった」波田も賛成であった。
チーフメーツはデッキの上で、餅をのどにつめでもしたように、あわててしまった。