Japanische Klassiker mit Furigana
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うみにいくるひとびと
海に生くる人々
葉山 嘉樹
Lesen Sie 海に生くる人々 (うみにいくるひとびと) von 葉山 嘉樹 (はやまよしき) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 161.305 Zeichen · 321 Bildschirme
大体貴様は、横着だからな。貴様が、小倉や皆をおだててこんなものを出さしたんだろう」彼は裁判官のごとくに訊問した。
「そんなことは、きわめて枝葉の問題と思います。私たちは、食うために船乗りになっているのです。であるのに、船の仕事のために負傷しても、手当をしてもらえないということになれば、私たちは、命をすててかかったも同然です。もっとも、船では命をすててかかってることは、当然だといえば当然ですがね。しかし、ただ、私たちだけが、命を安売りするということは、私たちにも、承知ができないことです」
藤原は、最初の探照弾を打っ放した。
「それじゃ、勝手に下船して行ったらどうだったい。だれが、いつお前に、どうぞ、下船しないで乗ってくださいと頼んだ! 頼んだのはどっちだったか、よく考えて見ろ」
船長が言った。
「私たちは、どこへ行っても、いいところはないのです。だから、自分の『今』の生活を、よりよくする方法をとるよりほかはないのです。この船ばかりへ日が照らないと言って、下船したところで、他の船でも、陸でも同じことです。だから、自分の今いるところで、より良い条件の下に、生活しようとするだけなんです」