Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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うみにいくるひとびと

海に生くる人々

葉山 嘉樹

Lesen Sie 海に生くる人々 (うみにいくるひとびと) von 葉山 嘉樹 (はやまよしき) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 161.305 Zeichen · 321 Bildschirme

Aozora Bunko

便所と井戸水とが同居したのに、まだそれが掃除されていない。

もし、この男が苦労になれなかったか、貧乏になれなかったかで、ちょっと神経質ででもあったのならば、僕らが考えても、首をくくった方が気がきいていそうに思われるくらいなんだ。ところが、この男は我慢したんだ。あとで知る事だが、この男は我慢するんだ、何でも、癪にさわるくらい我慢強いんだ。と僕らは、そう思ってたんだ。ところがどうだろう。まるっ切りやつは感じないんだ。

彼は、この惨憺たる事実に対して、何物をも感じなかったようだった。ただ、金が少々あればいいのだった。それが万事を解決するだろう。君、長い間、人間はあまりみじめであると、感受性を全然失ってしまうものらしいんだ。この兄弟なんぞもやっぱりその一例だと見れる。人間がその苦痛に対して、ならされてしまう――何の必要もないのに――それが、どんなことだと君は思うんだ。馬が去勢されて生殖欲がなくなるように、人間が、縛りつけられて、型に押し込まれて、自由を奪われてしまった去勢された馬のように、感受性を失ってしまう。自分がどんな奴隷だか知らずに、働けば楽になると思って働く。