Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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うみにいくるひとびと

海に生くる人々

葉山 嘉樹

Lesen Sie 海に生くる人々 (うみにいくるひとびと) von 葉山 嘉樹 (はやまよしき) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 161.305 Zeichen · 321 Bildschirme

Aozora Bunko

と抜かしやがったんだ。

『何をこのむく犬め』と、白水はいきなり怒鳴りつけて、そこにあった椅子を振り上げかけたが、切り株が止めた。

『へえ、ありがとうごぜえます。今さえ助かりゃ、あとは三月で間違いなくお返しいたしますから』と、一方で白水を引っぱりながら、一方で後明に、承知をした上、ご丁寧なお辞儀を一つしたんだ。

『へえ、何に、今の都合がつきゃあとはまた、まっ黒になってかせぎますから』と白水にいったんだ。

その事件があって後の白水は、会社側からはなはだしく忌みきらわれた。そして白水の馘首が事務員から、重役の問題にまで進んだんだ。

この家屋浸水事件後、僕と白水その他の多数の兄弟たちが、A工場に対して、N市における最初の大規模な応戦を試みて、全部が、見事に陣頭に倒れ、おまけに僕と白水とほかに四人の兄弟が、その争議のため、牢獄の赤い煉瓦塀をくぐることになったんだ。それは九月の末ごろであったろう。A工場の労働者たちは、切り株浸水事件の後に、白水が積善会の積立金の会計報告等が一切ないことを鳴らし、かつ工場の扶助規則や未成年労働者使用等、規則違反が多いことなどを表面の理由として、資本家階級の間に、どんな策戦があるか探りを入れ始めたんだ。