Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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うみへ

海へ

小川 未明

Lesen Sie 海へ (うみへ) von 小川 未明 (おがわみめい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 3.099 Zeichen · 7 Bildschirme

Aozora Bunko

といいました。龍雄の両親は、幸いと思って、その主人に龍雄を頼んで、都へやることにしたのであります。

龍雄はついに、その主人が都へ帰るときに、連れられて都にきました。彼はにぎやかで、四辺がきれいなのに驚きました。しかし、それも初めのうちだけでした。彼は、また故郷が恋しくなりました。母や、父や、友だちや、遊んだ森や、野原が恋しくなりました。恋しくなると、彼の性質として矢も楯もたまらなくなりました。ある夜、店から抜け出た彼は、足の向くままに、停車場を指してやってきました。けれども、もとより汽車賃がなかったので、どうすることもできません。見ますと、故郷の方へ立つ夜行列車が出ようとしています。

彼はせめて貨車の中にでも身を隠すことができたら、幸福だと考えましたので、人目をしのんで、貨車に乗り込もうとしますと、中から、思いがけなく、

「だれだ?」

と声がしました。そして大男が龍雄をとらえました。龍雄はもう逃れる途はないと知りましたから、すべてのことを正直にうちあけました。その男は酔っていました。

「しようのない奴だ。俺だから許してやるのだぞ。そんなら乗せてやる。そのかわり俺は眠るから、汽車がどの停車場に着いても、止まったときはきっと俺を起こすんだぞ。