Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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うみほおずき

海ほおずき

小川 未明

Lesen Sie 海ほおずき (うみほおずき) von 小川 未明 (おがわみめい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N3. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N3 · Mittel · moderne Kanji und Kana · 3.418 Zeichen · 7 Bildschirme

Aozora Bunko

梅雨のうちに、花という花はたいていちってしまって、雨が上がると、いよいよ輝かしい夏がくるのであります。

ちょうどその季節でありました。遠い、あちらにあたって、カン、カン、カンカラカンノカン、……という磬の音がきこえてきました。

「また、あのお祭りの時節になった。ほんとうに月日のたつのは早いものだ。」と、お母さんはいわれました。

あや子はある日のこと、学校の帰り途に、その小さなお寺の境内にはいってみました。するとそこには、いろいろの店が出ていました。そして、子供らがたくさん、どの店の前にも集まっていました。赤い風船球を売っているのや、あめ屋や、またおもちゃなどを売っているのが目にはいりました。

あや子はそれらの前を通りぬけて、にぎやかなところから、すこしさびしい裏通りに出ようとしますと、そこにも一人のおばあさんが店を出していました。やはり、駄菓子やおもちゃの類に、そのほか子供の好きそうなものを並べていました。あや子は、べつにそれまではなにもほしいとは思いませんでした。ただ、いろいろな店の前を過ぎて、それらをながめてきたのでありますが、いま、おばあさんの店の前にさしかかって、ふと歩みを止めたのであります。