Japanische Klassiker mit Furigana
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かいいき
海異記
泉 鏡花
Lesen Sie 海異記 (かいいき) von 泉 鏡花 (いずみきょうか) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 18.223 Zeichen · 37 Bildschirme
」
女房はほっとしたような顔色で、
「まあ、可かったねえ、それじゃ浜へも近かったんだね。」
「思ったよりは流されていねえだよ、それでも沖へ三十里ばかり出ていたっぺい。」
「三十里、」
とまた驚いた状である。
「何だなあ、姉さん、三十里ぐれえ何でもねえや。
それで、はあ夜が明けると、黄色く環どって透通ったような水と天との間さ、薄あかりの中をいろいろな、片手で片身の奴だの、首のねえのだの、蝦蟇が呼吸吹くようなのだの、犬の背中へ炎さ絡まっているようなのだの、牛だの、馬だの、異形なものが、影燈籠見るようにふわふわまよって、さっさと駈け抜けてどこかへ行くだね。」
十
「あとで、はい、理右衛門爺さまもそういっけえ、この年になるまで、昨夜ぐれえ執念深えあやかしの憑いた事はねえだって。
姉さん。
何だって、あれだよ、そんなに夜があけて海のばけものどもさ、するする駈け出して失せるだに、手許が明くなって、皆の顔が土気色になって見えてよ、艪が白うなったのに、舵にくいついた、えてものめ、まだ退かねえだ。
お太陽さまお庇だね。その色が段々蒼くなってな、ちっとずつ固まって掻いすくまったようだっけや、ぶくぶくと裾の方が水際で膨れたあ、蛭めが、吸い肥ったようになって、ほとりの波の上へ落ちたがね、からからと明くなって、蒼黒い海さ、日の