Japanische Klassiker mit Furigana
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かいいき
海異記
泉 鏡花
Lesen Sie 海異記 (かいいき) von 泉 鏡花 (いずみきょうか) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 18.223 Zeichen · 37 Bildschirme
下で突張って、刎ねてるだ。
まあ、めでてえ、と皆で顔を見たっけや、めでてえはそればかりじゃねえだ、姉さんも、新しい衣物が一枚出来たっぺい、あん時の鰹さ、今年中での大漁だ。
舳に立って釣らしった兄哥の身のまわりへさ、銀の鰹が降ったっけ、やあ、姉さん。」
と暮れかかる蜘蛛の囲の檐を仰いだ、奴の出額は暗かった。
女房もそれなりに咽喉ほの白う仰向いて、目を閉じて見る、胸の中の覚え書。
「じゃ何だね、五月雨時分、夜中からあれた時だね。
まあ、お前さんは泣き出すし、爺さまもお念仏をお唱えだって。内の人はその恐しい浪の中で、生命がけで飛込んでさ。
私はただ、波の音が恐しいので、宵から門へ鎖をおろして、奥でお浜と寝たっけ、ねえ。
どんな烈しい浪が来ても裏の崖は崩れない、鉄の壁だ安心しろッて、内の人がおいいだから、そればかりをたよりにして、それでもドンと打つかるごとに、崖と浪とで戦をする、今打った大砲で、岩が破れやしまいかと、坊やをしっかり抱くばかり。夜中に乳のかれるのと、寂しいばかりを慾にして、冷いとも寒いとも思わないで寝ていたのに、そうだったのか、ねえ、三ちゃん。