Japanische Klassiker mit Furigana
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りんらく
淪落
林 芙美子
Lesen Sie 淪落 (りんらく) von 林 芙美子 (はやしふみこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 8.113 Zeichen · 16 Bildschirme
と云つた。栗山と云う男は、只、夢みたいな事にばかりあこがれている。一緒になるのが厭だと云われると、わたしは、かえつて心のなかゞ勇みたつような気がした。わたしは二カ月位も栗山とは逢わない。そのくせ、栗山とは何でもなかつただけに始終こゝろにかゝつて思い出されて仕方がない。わたしは、ずつと小山には逢わなかつた。逢いたいとも思わない。わたしは二三度、違う男と田舎の宿屋に泊りに行つたけれど、このごろになつて、何だか、自分はもう悪い女になつているような気がされて時々、こゝろの中に寒々とした風が吹きこんで来るような気がする。おばさんも、このごろはすつかりわたしのかつこうが変つたと云つた。六畳二間きりのじめじめした家だけれど、わたしはこの家がすつかり気に入つた。子供は、十四になる娘と、十二になる男の子だけれど、どつちもいゝ子でまるでいゝところの子供みたいに言葉つきがよくて、親孝行なので吃驚してしまう。わたしが、どんなに夜おそく戻つて来てもおばさんは小言一つ云わないし、自分の子供と同じようにしてくれるので、わたしはこんなきれいな心持ちのひとは珍らしいと思つた。
わたしはホールで或る会社員と知りあいになつた。