Japanische Klassiker mit Furigana
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しんやのきゃく
深夜の客
大倉 燁子
Lesen Sie 深夜の客 (しんやのきゃく) von 大倉 燁子 (おおくらてるこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 13.926 Zeichen · 28 Bildschirme
方を探し求めなければならない、それが一方ならない困難でした。先生には御迷惑でしょうが、まあ白羽の矢が当ったものと思召して、一肌ぬいで頂きたいのです」
「お話に依っては――、私の力で出来ますことでしたら、何なりと致しましょう」と、快く引受けた。
「私はある死刑囚から世にも気の毒な物語を聞いたのです。独房にいるはずのその囚人から、同じく囚人である私が、どうして話を聞いたかという事は、どうぞ、お訊ね下さいますな。ただその物語りを先生に聞いて頂きさえすればよいのですから、――それで私の義務は終るのです。余計な事は一切省くことにいたしましょう」
「なに、要点だけを承わればよろしいんですよ」
「その死刑囚も、もう疾うの昔、発狂し、自殺を遂げてしまいました」と云って、尾越は少時瞑目した。やがて言葉をつぎ、
「その男を仮りに譲治とよびましょう。――その譲治は米国で生れましたが、両親には早く死別し、兄弟姉妹もなく、全くの独りぽッちでしたので、情のある宣教師に拾われて非常に愛され、やがて一緒に東京へ参り、譲治は学校へ入ったが、言葉もよく通じないし、西洋人の習慣が身についているので、友達になってくれる人もなかった。