Japanische Klassiker mit Furigana
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ふかがわにょうぼう
深川女房
小栗 風葉
Lesen Sie 深川女房 (ふかがわにょうぼう) von 小栗 風葉 (おぐりふうよう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 28.597 Zeichen · 57 Bildschirme
言われて媼さんは始めて気がついたらしく、「まあ、私としたことが、自分の勝手なことばかり喋っていて……ほんにまあ、御病人はどんなでおいでなさいますね、まだおよろしくございませんかよ」
「え、よろしいどころなものですか、今日もお医者から……」と言い半して、お光は何と思ったか急に辞を変えて、「何しろ質のよくない病気なんですもの」
「質がね? それじゃ御病人も何でしょうが、お光さんが大抵じゃございませんね。そんな中へどうも、こんな御面倒な話を持ち込みましちゃ……」と媼さんは何か思案に晦れる。莨を填めては吸い填めては吸い、しまいにゴホゴホ咽せ返って苦しんだが、やッと落ち着いたところで、「お光さん、一体今度のお話の……金之助さんとかいうのでしたね? その方はどこに今おいででございますね?」
「え、それは霊岸島の宿屋ですが……こうと、明日は午前何だから……阿母さん、明日夕方か、それとも明後日のお午過ぎには私が向うへ行きますからね、何とか返事を聞いて、帰りにお宅へ廻りましょう」
四
金之助の泊っているのは霊岸島の下田屋という船宿で。しかしこの船宿は、かの待合同様な遊船宿のそれではない、清国の津々浦々から上って来る和船帆前船の品川前から大川口へ碇泊して船頭船子をお客にしている船乗りの旅宿で、座敷の真中に赤毛布を敷いて