Japanische Klassiker mit Furigana
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みなとについたくろんぼ
港に着いた黒んぼ
小川 未明
Lesen Sie 港に着いた黒んぼ (みなとについたくろんぼ) von 小川 未明 (おがわみめい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N3. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N3 · Mittel · moderne Kanji und Kana · 6.903 Zeichen · 14 Bildschirme
やっと、十ばかりになったかと思われるほどの、男の子が笛を吹いています。その笛は、ちょうど秋風が、枯れた木の葉を鳴らすように、哀れな音をたてるかと思うと、春のうららかな日に、緑の色の美しい、森の中でなく小鳥の声のように、かわいらしい音をたてていました。
その笛の音を聞いた人々は、だれがこんなに上手に、また哀れに笛を吹いているのかと思って、そのまわりに寄ってきました。するとそれは、十ばかりの男の子で、しかもその子供は、弱々しく見えたうえに、盲目であったのであります。
人々は、これを見て、ふたたびあっけにとられていました。
「なんという、不憫な子供だろう?」と、心に思わぬものはなかった。
しかし、そこには、ただその子供が、一人いたのではありません。その子供の姉さんとも見える十六、七の美しい娘が、子供の吹く笛の音につれて、唄をうたって、踊っていたのでありました。
娘は、水色の着物をきていました。髪は、長く、目は星のように輝いて澄んでいました。そして、はだしで砂の上に、軽やかに踊っている姿は、ちょうど、花弁の風に舞うようであり、また、こちょうの野に飛んでいる姿のようでありました。