Japanische Klassiker mit Furigana
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みなとについたくろんぼ
港に着いた黒んぼ
小川 未明
Lesen Sie 港に着いた黒んぼ (みなとについたくろんぼ) von 小川 未明 (おがわみめい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N3. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N3 · Mittel · moderne Kanji und Kana · 6.903 Zeichen · 14 Bildschirme
弟は、それで、熱心に笛を吹き鳴らしました。
ちょうど、ここに一羽の白鳥があって、北の海で自分の子供をなくして、心を傷めて、南の方へ帰る途中でありました。
白鳥は黙って、山を越え、森を越え、河を越えて、青い、青い海を遠く後にして、南の方をさして旅をしていました。白鳥は疲れると流れの辺に降り、翼を休めて、また旅に上りました。かわいい子供をなくして、白鳥は、歌う気にもなれなかったのです。ただ、黙って暗い夜を、星の下を駆けていました。
白鳥は、ふと、悲しい笛の音をききました。それは、普通の人の吹く笛の音色とは思われない。なんでも胸になやみのあるものが、はじめてこんな笛の音色を出し得ることを白鳥は知りました。白鳥は、子供をなくして、しみじみと悲しみを味わっていましたから、その笛の音色をくみとることができたのです。
白鳥は、その目に見えない細い糸の、切れては、また、つづくような、悲しい音色がどこから聞こえてくるかと翼をゆるやかに刻んで、しばらくは夜の空をまわっていましたが、やがて、広場から起こることを知りました。白鳥は、注意深くその広場に降りたのであります。