Japanische Klassiker mit Furigana
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こなんのおうぎ
湖南の扇
Lesen Sie 湖南の扇 (こなんのおうぎ) von Akutagawa Ryūnosuke (芥川 竜之介) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 9.079 Zeichen · 19 Bildschirme
すると突然林大嬌は持っていた巻煙草に含芳を指さし、嘲るように何か言い放った。含芳は確かにはっとしたと見え、いきなり僕の膝を抑えるようにした。しかしやっと微笑したと思うと、すぐに又一こと言い返した。僕は勿論この芝居に、――或はこの芝居のかげになった、存外深いらしい彼等の敵意に好奇心を感ぜずにはいられなかった。
「おい、何と言ったんだい?」
「その人は誰の出迎いでもない、お母さんの出迎いに行ったんだと言うんだ。何、今ここにいる先生がね、×××と言う長沙の役者の出迎いか何かだろうと言ったもんだから。」(僕は生憎その名前だけはノオトにとる訣に行かなかった。)
「お母さん?」
「お母さんと言うのは義理のお母さんだよ。つまりその人だの玉蘭だのを抱えている家の鴇婦のことだね。」
譚は僕の問を片づけると、老酒を一杯煽ってから、急に滔々と弁じ出した。それは僕には這箇這箇の外には一こともわからない話だった。が、芸者や鴇婦などの熱心に聞いているだけでも、何か興味のあることらしかった。のみならず時々僕の顔へ彼等の目をやる所を見ると、少くとも幾分かは僕自身にも関係を持ったことらしかった。