Japanische Klassiker mit Furigana
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こなんのおうぎ
湖南の扇
Lesen Sie 湖南の扇 (こなんのおうぎ) von Akutagawa Ryūnosuke (芥川 竜之介) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 9.079 Zeichen · 19 Bildschirme
」
「そんなものを又何にするんだ?」
「何にするもんか? 食うだけだよ。この辺じゃ未だにこれを食えば、無病息災になると思っているんだ。」
譚は晴れ晴れと微笑したまま、丁度この時テエブルを離れた二三人の芸者に挨拶した。が、含芳の立ちかかるのを見ると、殆ど憐みを乞うように何か笑ったりしゃべったりした。のみならずしまいには片手を挙げ、正面の僕を指さしたりした。含芳はちょっとためらった後、もう一度やっと微笑を浮かべ、テエブルの前に腰を下した。僕は大いに可愛かったから、一座の人目に触れないようにそっと彼女の手を握っていてやった。
「こんな迷信こそ国辱だね。僕などは医者と言う職業上、ずいぶんやかましくも言っているんだが………」
「それは斬罪があるからだけさ。脳味噌の黒焼きなどは日本でも嚥んでいる。」
「まさか。」
「いや、まさかじゃない。僕も嚥んだ。尤も子供のうちだったが。………」
僕はこう言う話の中に玉蘭の来たのに気づいていた。彼女は鴇婦と立ち話をした後、含芳の隣に腰を下ろした。
譚は玉蘭の来たのを見ると、又僕をそっちのけに彼女に愛嬌をふりまき出した。彼女は外光に眺めるよりも幾分かは美しいのに違いなかった。