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Japanische Klassiker mit Furigana

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まんかんところどころ

満韓ところどころ

夏目 漱石

Lesen Sie 満韓ところどころ (まんかんところどころ) von Natsume Sōseki (夏目 漱石) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 74.601 Zeichen · 148 Bildschirme

Aozora Bunko

実際その当時は奇麗な馬車を傷めずに、心持よく砲台のある地点まで乗りつけられたものと見える。ところが戦争がすんで往復の必要がなくなったので、せっかくできた山路に手を入れる機会を失ったため、我々ごとき物数奇は、かように零落した馬車をさえ、時々復活させる始末になるのである。元来旅順ほど小山が四方に割拠して、禿頭を炎天に曝し合っている所はない。樹が乏しい土質へ、遠慮のない強雨がどっと突き通ると、傾斜の多い山路の側面が、すぐ往来へ崩れ出す。その崩れるものがけっして尋常の土じゃない。堅い石である。しかも頑固に角張っている。ある所などは、五寸から一尺ほどもあろうと云う火打石のために、累々と往来を塞がれている。零落した馬車は容赦なく鳴動してその上を通るのだから、凸凹の多い川床を渡るよりも危険である。二百三高地へ行く途中などでは、とうとうこの火打石に降参して、馬車から下りてしまった。そうして痛い腹を抱えながら、膏汗になって歩いたくらいである。鶏冠山を下りるとき、馬の足掻が何だか変になったので、気をつけて見ると、左の前足の爪の中に大きな石がいっぱいに詰っていた。よほど厚い石と見えて爪から余った先が一寸ほどもある。