Japanische Klassiker mit Furigana
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げんおじ
源おじ
国木田 独歩
Lesen Sie 源おじ (げんおじ) von 国木田 独歩 (くにきだどっぽ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 11.455 Zeichen · 23 Bildschirme
伴いしは八歳ばかりの男子なり。母はこの子を連れて家々の門に立てば、貰い物多く、ここの人の慈悲深きは他国にて見ざりしほどなれば、子のために行末よしやと思いはかりけん、次の年の春、母は子を残していずれにか影を隠したり。太宰府訪でし人帰りきての話に、かの女乞食に肖たるが襤褸着し、力士に伴いて鳥居のわきに袖乞いするを見しという。人々皆な思いあたる節なりといえり。町の者母の無情を憎み残されし子をいや増してあわれがりぬ。かくて母の計あたりしとみえし。あらず、村々には寺あれど人々の慈悲には限あり。不憫なりとは語りあえど、まじめに引取りて末永く育てんというものなく、時には庭先の掃除など命じ人らしく扱うものありしかど、永くは続かず。初めは童母を慕いて泣きぬ、人人物与えて慰めたり。童は母を思わずなりぬ、人人の慈悲は童をして母を忘れしめたるのみ。物忘れする子なりともいい、白痴なりともいい、不潔なりともいい、盗すともいう、口実はさまざまなれどこの童を乞食の境に落としつくし人情の世界のそとに葬りし結果はひとつなりき。
戯れにいろは教うればいろはを覚え、戯れに読本教うればその一節二節を暗誦し、小供らの歌聞きてまた歌い、笑い語り戯れて、世の常の子と変わらざりき。