Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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たきしぶき

滝しぶき

吉野 秀雄

Lesen Sie 滝しぶき (たきしぶき) von 吉野 秀雄 (よしのひでお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 720 Zeichen · 2 Bildschirme

Aozora Bunko

病臥して二度目の夏を迎えた。容態はだいぶいいが、両足のリューマチで動けぬせいか、暑さは人一倍つらい。何か涼しいものはないかと考えていたら、富士の白糸ノ滝が目に浮かんできた。

二年前の夏、ある俳誌の同人二十数人の団体に飛入りして、駿河の猪之頭へいった。富士の雪解の地下水がその西麓のここに四十何ヵ所も湧き出すのを利用して、十万平方メートルの県営養鱒場ができている。一行は両兜合掌造りの田舎家に泊り、鱒料理を賞味した。

その翌日は前の日の雨催いとはうって変わった快晴、富士ノ宮へ引返すバスを途中で降りて、白糸ノ滝に遊んだ。茶屋の二階にビールを飲み丼を食べながら、斜めに下を見ると、別の茶屋の入口のガラス戸に、滝がそのまま写っている。間断なく落下する水は、時に逆さに立昇るかとも疑われる。本物からかなり離れているので、音響は割合しずかで、いかにも涼しく感じられる。やがてめいめい滝へ向って谿間を散歩した。きのうの猪之頭の湧泉が芝川となり、高さはやっと三十メートルかもしれぬが、幅は百五十メートル位にわたって、玉のすだれをかかげている。滝の上の夏木立の色がまたすばらしく、そのあたりにつぎつぎと虹が生れる。