Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

ja-reading.com

Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.

たきぐち

滝口

山本 周五郎

Lesen Sie 滝口 (たきぐち) von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 49.815 Zeichen · 99 Bildschirme

Aozora Bunko

おりうが嫌っているのは、自分の心のしこりだと芳村伊織は云った。安宅はそれを聞いて、こじつけだと感じた。あんまりうがちすぎている、塗りの剥げた鞘を見て、あの刀身はなまくらだと鑑定するようなものだと。けれどもいま、彼は考え直してみて、自分の感じたことが疑わしくなった。

「そうかもしれないな」あるきながら彼は声に出して呟いた、「慥かにおりうは女になりきっている、したたるような嬌かしさも媚びだけではない、けれども、そのなかにどこかひとつ、こちんと固いようなものがあった、あの溶けるようないろっぽさが、抑えようのない、自然にあふれ出るものであるのとともに、どこかに固く解きがたいなにかがあるのも、おりう自身どうしようもないものだったかもしれない」

安宅は顔にかかる粉雪を手で払いながら、意味ありげな微笑をうかべ、口の中でなにやら呟いてから足を早めた。そんな時刻にあるいたことのない街であり、両側の家並はみな雨戸を閉めているため、自分が目的の方向へあるいているのかどうかわからなくなった。そのとき町角に赤い提灯が見えた。近よってゆくと煮売りやの屋台店で、町の片側に十軒ちかくも並んでいた。