Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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ぶんげいいいんはなにをするか

漱石文明論集

夏目 漱石

Lesen Sie 漱石文明論集 (ぶんげいいいんはなにをするか) von Natsume Sōseki (夏目 漱石) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 32.837 Zeichen · 70 Bildschirme

Aozora Bunko

ほど経て先生が、久しい前君に貸したベインの本は僕の先生の著作だから保存して置きたいから、もし読んでしまったなら返してくれといわれた。その本は大分丹念に使用したものと見えて裏表とも表紙が千切れていた。それを借りたときにも返した時にも、先生は哲学の方の素養もあるのかと考えて、小供心に羨ましかった。

あるときどんな英語の本を読んだら宜かろうという余の問に応じて、先生は早速手近にある紙片に、十種ほどの書目を認めて余に与えられた。余は時を移さずその内の或物を読んだ。即座に手に入らなかったものは、機会を求めて得る度にこれを読んだ。どうしても眼に触れなかったものは、倫敦へ行ったとき買って読んだ。先生の書いてくれた紙片が、余の袂に落ちてから、約十年の後に余は始めて先生の挙げた凡てを読む事が出来たのである。先生はあの紙片にそれほどの重きを置いていなかったのだろう。凡てを読んでからまた十年も経った今日から見れば、それほど先生の紙片に重きを置いた余の方でも可笑しい気がする。

外国から帰った当時、先生の消息を人伝に聞いて、先生は今鹿児島の高等学校に相変らず英語を教えているという事が分った。