Japanische Klassiker mit Furigana
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しょうねん
潤一郎ラビリンスI――初期短編集
谷崎 潤一郎
Lesen Sie 潤一郎ラビリンスI――初期短編集 (しょうねん) von 谷崎 潤一郎 (たにざきじゅんいちろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 41.319 Zeichen · 84 Bildschirme
私と仙吉が光子を縊め殺して金を盗むと、信一が姉さんの仇と云って二人を殺して首を斬り落したり、信一と私と二人の悪漢がお嬢様の光子と郎党の仙吉を毒殺して、屍体を河へ投げ込んだり、いつも一番いやな役廻りになって非道い目に合わされたのは光子である。しまいには紅や絵の具を体へ塗り、殺された者は血だらけになってのた打ち廻ったが、どうかすると信一は本物の小刀を持って来て、
「此れで少うし切らせないか。ね、ちょいと、ぽっちりだからそんなに痛かないよ」
こんな事を云うようになった。すると三人は素直に足の下へ組み敷かれて、
「そんなに非道く切っちゃ嫌だよ」
と、まるで手術でも受けるようにじっと我慢しながら、其の癖恐ろしそうに傷口から流れ出る血の色を眺め、眼に一杯涙ぐんで肩や膝のあたりを少し切らせる。私は家へ帰って毎晩母と一緒に風呂へ這入る時、其の傷痕を見付けられないようにするのが一と通りの苦労ではなかった。
そう云う風な遊びが凡そ一と月も続いた或る日のこと、例の如く塙の家へ行って見ると、信一は歯医者へ行って留守だとかで、仙吉が一人手持無沙汰でぽつ然としている。
「光ちゃんは?」