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Japanische Klassiker mit Furigana

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らどうせんせい

潤一郎ラビリンスII――マゾヒズム小説集

谷崎 潤一郎

Lesen Sie 潤一郎ラビリンスII――マゾヒズム小説集 (らどうせんせい) von 谷崎 潤一郎 (たにざきじゅんいちろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 16.093 Zeichen · 33 Bildschirme

Aozora Bunko

」

「うん、プログラムにそうある。」

ふうん、先生なか/\油断がならない。―――記者がそう感じたと云うのは、その女優は誰の眼にも一と際すぐれた美貌の持ち主で、記者自身も今夜始めてその女を舞台で見た時、こんな美人が此の一座に居たっけかなと、驚いたくらいだったのである。

年の頃は二十二三か、短いスカートの脚の恰好もすっきりしているし、全体の四肢の均整も申し分がない。たゞ難を云えば目鼻立ちが餘り典型的な希臘式に出来過ぎていて、愛嬌に乏しく、品はいゝけれども人形のような堅い感じがあることである。

「へえ、あの女優は、あれは夢遊斎の弟子ではございませんかしら。―――あの一座には歌劇の残党が加わっておりまして、その方の連中ならば大概知っておる筈なのでございますが。」

「う、………」

先生の喉の中が又ごろ/\と云う音を立てた。

「………どうかしら、君、あれを調べて貰えんかしら?」

「へえ?」

「あれは、あのう、………おかしいんだよ。………」

「おかしいと申しますと?………」

「気が付かんかね?」

「さあ、どんな事ですか、気がつきませんでしたけれど、………」

「あの女優だけは舞台で一と言もセリフを云わなかったろう?」