Japanische Klassiker mit Furigana
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ひのとり
火の鳥
Lesen Sie 火の鳥 (ひのとり) von Dazai Osamu (太宰 治) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 37.740 Zeichen · 76 Bildschirme
おれにだって、それは、わかっています。はらわたが煮えくりかえるようだってのは、これは、まさしく実感だね。けれどもおれは、おれを軽蔑する女を、そんな虚傲の女を、たまらなく好きなんだ。蝶々のように美しい。因果だね。うんと虚傲になるがいい。どうです、これからも、あの女と、遊んでやって呉れませんか。それは、おれから、たのむのだ。卑屈からじゃない。おれは、もともと高尚な人間を、好きなんだ。讃美する。君は、とてもいい。素晴らしい。皮肉でも、いやみでも、なんでもない。君みたいないい人と、おとなしく遊んで居れば、だいじょうぶ、あいつは、もっと、か弱く、美しくなる。そいつは、たしかだ。」たらとよだれが、テエブルのうえに落ちて、助七あわててそれを掌で拭き消し、「あいつを、美しくして下さい。おれの、とても手のとどかないような素晴らしい女にして下さい。ね、たのむ。あいつには、あなたが、絶対に必要なんだ。おれの直感にくるいはない。畜生め。おれにだって、誇があらあ。おれは、地べたに落ちた柿なんか、食いたくねえのだ。」
青年は陰鬱に堪えかねた。
☆
さちよは、ふたたび汽車に乗った。