Japanische Klassiker mit Furigana
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ひのとり
火の鳥
Lesen Sie 火の鳥 (ひのとり) von Dazai Osamu (太宰 治) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 37.740 Zeichen · 76 Bildschirme
君が精一ぱいなら、八重田数枝だって、自分ひとりを生かすのだけで、それだけで精一ぱい、やっとのところで生きているのだ。少しは、人の弱さを、大事にしろよ。君の思いあがりは、おそろしい。僕だって、君に、いくど恥をかかされているかわからない。あんな、薄汚い新聞記者と、喧嘩させて、だまって面白がって見ていやがって、僕は、あんなやつとは、口きくのさえいやなんだぜ。僕は、プライドの高い男だ。どんな偉い先輩にでも、呼び捨にされると、いやな気がする。僕は、ちゃんと、それだけの仕事をしている。あんな奴と、決闘して、あとで、僕は、どんなに恥ずかしく、くるしい思いしたか、君は知るまい。生れてはじめて、あんなぶざまな真似をした。君は、一たい僕をなんだと思っているのだ。八重田数枝のところに居辛くなって、そうして、こんどは僕の家へ飛び込んで来て、自惚れちゃだめよ、仕事の相談に来たの、なんて、いつもの僕なら、君はいまごろ横っつらの二つや三つぶん殴られている。」三木は流石に、蒼くなっていた。
さちよは、ぼんやり顔をあげて、
「殴らないの?」
「寝て起きて来たようなこと言うなよ。」苦笑して、煙草のけむりを、ゆっくり吐いた。