Japanische Klassiker mit Furigana
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ひをてんず
火を点ず
小川 未明
Lesen Sie 火を点ず (ひをてんず) von 小川 未明 (おがわみめい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 4.105 Zeichen · 9 Bildschirme
屋根の低い、暗い小さな家が幾軒もあって、家の中には竹ぐしを造ったり、つまようじを削ったり、中には状袋をはったりしている男も、女もあった。それでなければ、一日外に出て圃で働いているような人たちでありました。
彼らは、ものを問いかけられても、手を休めて、それに返答するだけのときすらおしんでいましたから、頭だけを外の方に向けて、
「まだ、今日はあったようだ。」とかなんとく、その石油売りにいったのでした。
「また、お願いいたします。」と、男は、軒下を去って隣の家の方へ歩いていくのでした。
その後で、家の中では仕事をしながら、家族のものが、こんなうわさをしています。
「売りにくるのと、いって買うのとはたいへんな違いだ。売りにくるのは、きっちり一合しか量らないが、いって買うとずっとたくさんくれる。これから夜が長くなるから、夜業をするのにすこしでも多いほうがありがたい、晩方ちょっといって買えばいいのだ。」と、母親がいうと、
「ほんとうに、きっちり一合しか量らない、なんだか足りないようなときもある。きたのを買うとランプの七分めぐらいしかないが、いって買うとちょうど口もとまでありますよ。