Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
はいいろのきおく
灰色の記憶
久坂 葉子
Lesen Sie 灰色の記憶 (はいいろのきおく) von 久坂 葉子 (くさかようこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 65.588 Zeichen · 132 Bildschirme
私は平気で自分をつくり話の主人公にして、弟や女中に話をしてきかせた。
「ねえ、きいて頂戴、ボビはねエ。遠い遠いお国で生まれたの、ママもパパもなかったのよ。たくさんの木があって、兎や鹿がボビを育てたのよ」
私は毎日ちがった話をつくり出した。そうして出鱈目な話をしてみせることがどんなに愉快なことであるかを知った。小さな頭一ぱいに、お星様やお花畠をおもい、美しい人達――それがどうしてもあのマネキンの裸像であったのだ――が踊ったり歌ったりしていた。
私は、大人達が親切にしてくれることを喜ばなかった。私の家は、大家族であり、父の兄弟は分家していなかったし、祖母が健在であったから、お正月だとか、祖父の命日だとかには必ず、大勢の人達が集った。そんな時、私も、きちんとした身なりをさせられ、御挨拶せねばならない。ところが私は、大人のおほめ言葉を真に受けなかったし、物をくれようとしても、それが何かの手であるように思えたから受けとらないで、大人も、私をひんまがった子だと自然目もくれないようになった。それに、弟が派手な存在であったのだ。弟は母の容貌に似ており、愛くるしく気品があった。