Japanische Klassiker mit Furigana
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はいいろのきおく
灰色の記憶
久坂 葉子
Lesen Sie 灰色の記憶 (はいいろのきおく) von 久坂 葉子 (くさかようこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 65.588 Zeichen · 132 Bildschirme
で、私は筆箱にはいっているちびた鉛筆を盗ろうと思った。何か、常に彼の持っているものを身につけていたいと思ったからなのだ。ある放課後、私は彼の学級の前へ一人で偵察に行った。六年生はいつも居残りをして、入試の勉強をしていたのだ。私は、すりガラスの窓を細目にあけて中の様子をみた。十数人の男の子が、黒板にかかれた算術の問題を解いていた。その中に私はすぐに彼を発見した。しかし、ドアをあけてはいって行ってはみつかってしまう。私は、廊下を行ったり、来たりして考えていた。小一時間もたった頃、ドヤドヤと部屋から人が出て来た。校庭へ出てキャッチボールをするのだということがわかった。私は階段を降りてゆく彼等を見送ってから、廊下に人影がいないことをたしかめると、するりとドアの中へはいった。彼のすわっていた場所へ来ると彼はきちんと後かたづけしており、名前のはいった黒いランドセルが机の横にかけてあった。私はいそいでそれをあけた。やっぱり黒い革の筆入があり、その中には万年筆もはいっていた。私は、緑のヨット鉛筆を一本ぬいて手ばやくポケットへ入れた。十五六糎あり、滑かにけずられていた。