Japanische Klassiker mit Furigana
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ほのおのひと――ゴッホしょうでん――
炎の人――ゴッホ小伝――
三好 十郎
Lesen Sie 炎の人――ゴッホ小伝―― (ほのおのひと――ゴッホしょうでん――) von 三好 十郎 (みよしじゅうろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 104.035 Zeichen · 207 Bildschirme
さあさ、これチャンと食べて。(と、ゴッホの手のパンをちぎってその口にねじ込んでから、入口の方へ)さいならあ! ランラ、ラー、ラー、(ファランドールに合せて三つ四つ踊りの身ぶりをして靴を鳴らしてから、戸を押してサッと出て行く)
取り残されたゴーガンとヴィンセント。ヴィンセントは立ったままで、バラバラの表情で、無意識にパンを噛んでいる。ゴーガンは、こっちからそれをジッと見守っている。……鳴りつづけるファランドール。
ヴィン ……(顔が不意にゆがみ、両頬に涙が流れて来ている。自分ではそれを知らない。ファランドールに聞き入っているだけ。ヒョイと右手の三角パンを見る。そのパンを自分が噛んでいることに気がつく。ピクンとしてゴーガンを見、それからラシェルの立ち去った戸口に目をやる。それから再びパンを見る。見ているうちに急に声をあげて泣き出す。ファランドールやむ。ヴィンセントのオーオーと犬のほえるような泣声だけが残る)
ゴー (びっくりして見ていたが)どうしたんだ?
ヴィン ……(泣き出した時と同様に出しぬけに泣きやんで、ボンヤリ立っている)
ゴー (立って行き)どうしたんだよヴィンセント?(ゴッホの肩に腕をまわして、テーブルの方へ連れて来ながら)まあ、掛けたらいい。