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Japanische Klassiker mit Furigana

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ほのおのひと――ゴッホしょうでん――

炎の人――ゴッホ小伝――

三好 十郎

Lesen Sie 炎の人――ゴッホ小伝―― (ほのおのひと――ゴッホしょうでん――) von 三好 十郎 (みよしじゅうろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 104.035 Zeichen · 207 Bildschirme

Aozora Bunko

ヴェルネ ふむ。……ええと……(考えている。目が自然にヴィンセントを見ている。デニスも無言でヴィンセントを見つめる。老婆も目をやっている。それらの視線の中でヴィンセントはガクリと、うつ向いている)

ヴェルネ しかたがない、五百人からの人間が死んでしまうわけにも行かねえ。デニス、行こう。事務所へ行って、みんなに俺から話す。……(ゴッホに)先生、あんたのことは、わしら、忘れねえ。皆になりかわって――ありがとうがした。でも、こうなって、まあ仕方ねえから――(心からの頭を下げてから、戸口から出て行く)

デニス ……(これも続いて行きかけ、ゴッホに向って何か言おうとして、口を開いて言いかけるが、遂に一言も言えず、片手で頭髪を掴み、前こごみにションボリして出て行く)

あとには坐りつくしているゴッホと、そのゴッホを見ている老婆。……夕陽は既に落ち、急にトップリと暗くなって、二人の姿がガラス窓の薄明りに向って、にじんだような墨色のシルエットになって動かない。……遠くで犬が吠えている。……やがて老婆が、マッチをすって、ローソクに火をつけ、それを壁のわきの粗末な小テーブルの端に立てる。